【B】星のない夜 ~戻らない恋~
「あの……私の服は?」
「君の服も汚れてしまっていたからね。
適当に服を見繕って東堂に着替えさせた。
君の服も俺の服もホテルの
クリーニングに出してる。
朝には仕上がってくるだろう」
その日……私は憧れの怜皇さまと一夜限りのベッドを共にした。
触れられる手に、吹きかかる吐息に、
花弁を弄られる刺激に翻弄されながら
夢のような時間が過ぎた。
朝……痛みの残る体が昨晩の時間が
現実なのだったと教えてくれる。
隣で今も無防備な寝顔で
眠り続ける、その人にゆっくりと手を伸ばして
指を絡ます。
モゾモゾと動く彼に、
起こしたかも……っと
申し訳なささにいっぱいになったけれど、
起きてくる気配もなく、
そのまま抱きすくめられた彼の腕の中、
もう一度、眠りの時間へと誘われた。
上司と部下でもいい。
今は……他の女性社員よりも深く、
貴方の心の中に私の名前を刻み込みたい。