偽悪魔の天国
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大魔王ルシフェルには、二人の息子がいた。
この二人の息子以外にも、数多くの息子や娘がルシフェルにはいるだろうが、一応、この物語ではその中の二人を登場させたお話をして行きたい。
この二人について、お話を進めよう。
一人は長男のブラックサタン、もう一人は次男ルシアス。
一歳違いの兄弟だった。

ブラックサタンは、ルシフェルに似て悪行の天才だった。
ブラックサタンはストレートの短い黒髪のブラウンの瞳の白人で、黒い翼を持つ悪魔だ。
嘘も上手く、何をするにつけても必ず悪事を行い、反キリストであった。
しかし、弟のルシアスはいつも悪行に失敗してばかり…。
ルシアスは短いストレートのプラチナブロンドの黒い瞳で白い翼を持っていた。ルシアスは、まだ悪行が悪魔のレベルに至っていないため、悪魔ではなかった。一定の悪行を行えば、悪魔として認められ、悪魔になれる。
だが、ルシアスはまだ悪魔になれていなかった。
この物語の主人公はルシアスである。

『また失敗か!』大魔王ルシフェルのしもべの怒る声が万魔宮殿中に響いた。

『…失敗?俺だって、兄貴のように、悪行を行えるさ。』
ルシアスは、大魔王のしもべのべリアルに向かって明るく告げた。
べリアルは美男子な悪魔で、いつもの口癖は自分はルシフェルよりもハンサムだという言葉だった。
薄暗い宮殿の中では、鎧が飾ってある回廊があり、突き当たりには舞踏会のための会場があり、勿論、ルシフェルの部屋もブラックサタンの部屋もルシアスの部屋もある。
西洋の洋室の部屋には、呪われた絵画が飾ってある。剣術を鍛練するための部屋もある。
万魔宮殿から、市街地に降りて行くと、市街地には、地獄に堕ちた地獄の住人たちの家々がある。
その家々には、地獄の住人たちが数多く住んでいる。

『じゃあ、俺は人間界に行って来るぜ。』

ルシアスは人間界に向かって翼を羽ばたかせた。
魔界と人間界の中間が見えて来た。

『よし、ここを飛び越えれば、人間界へ行けるな?』ルシアスは力一杯飛んだ。そして、一気に人間界に潜り込んだ。
そう、魔界の悪魔は、人間を誘惑しに、人間界に行くことが許されていて、ルシアスも、悪行を行うために人間界に向かった。

『…ここで、悪事を行えば、俺も悪魔になれるな…。』
ルシアスは、人間界に到着した瞬間に自分がどんな悪事を行うかを必死で考えた。

(続く)
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