泣いていたのは、僕だった。~零~
それからのことは、あまり覚えていない。
気がつけば俺は親父たちに助けられていた。
親父の言葉も京介の言葉も耳に入ってこなかった。
俺に聞こえてくるのは、
『守れなくて、ごめん。』
昴のあの言葉だけ。
守れなかったのは俺の方なのに。
ごめん、ごめん、ごめん、ごめん、ごめん、ごめん、ごめん、ごめん………………。
みんな守ってあげられなくて、ごめん。
俺がいたから………
俺のせいで。
所詮、誰も助けられない人間なんだ。
「……隆、てめぇも少しは分かったろ?てめぇの立場ってもんが。」
「………俺は絶対こんな家継がない。大嫌いだ、こんな家。」
「…………好きにしろ。出て行きてぇなら出て行け。」
この日から俺は悪夢を見るようになり、生きることへの罪悪感を抱えた。