泣いていたのは、僕だった。~零~


自我を持ち始めたとき、すでに体は傷だらけだった。


鍵のかかった部屋に閉じ込められ、食べ物もロクに与えられない。


冷たい床に寝そべり、瞼を持ち上げ、ドアを見つめた。



あと数時間もすれば、悪夢がやってくる。


あのドアから。


行為を思い出すだけで、体が震えた。




やめてくれと懇願しても、地獄は続く。


永遠に流れ続ける悪夢。



俺は…………


どうしてまだ生きているんだろう?




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