泣いていたのは、僕だった。~零~

side翔一



変な奴に拾われた。


名前を古林真司と言った。


死にかけていた俺を拾って、甲斐甲斐しく世話をしてくる変な奴。


「翔一、今日は何がいい?」
「オムライス!」
「また?よく飽きないね。」


真司は肩をすくめた。


「だって旨い!」
「はいはい。じゃあ行ってくるよ。」



真司は部屋を出て行った。



ここに来て一週間以上が経った。


すっかりここでの生活に慣れた。



どうせ真司を殺さなきゃ(昨夜寝込みを襲ったけど失敗した)この家から解放されないんだから、満喫しようと開き直った。


真司がいない間に逃げ出せばいいんだろうけど……

なんか気が引けるしな。



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