泣いていたのは、僕だった。~零~
「な、んだよ。俺は助けてくれなんて頼んでねーよ。」
僕は彼を見据え、ゆっくり近づいた。
彼は比例して後退する。
青年の背中は壁にぶつかり、僕は彼のすぐ横を殴った。
「どうして……?」
「あ?」
「どうして生きようとしないんだ!?」
世の中はどうしてこんなに不平等なんだろうか?
ねぇ、優樹菜。
君もそう思うだろう?
「生きたくても生きれなかった者が居るのに。どうして生きようとしない!?」
僕は悔しくて、何度も壁を殴りつけ、唇を噛みしめた。