泣いていたのは、僕だった。~零~
珍しく進んで買い出しに行った隆が大量の酒を買い込んできた。
「日本酒、焼酎、ビールに……カクテル系もあるぜ。」
上機嫌で袋から酒を出す隆に対して、創は呆れて溜め息ばかり。
「何もこんなに買わなくてもいいでしょう。」
「いいじゃねーか。余ったら俺が責任もって飲んでやるから。」
「そういう問題じゃないんですけど」
「細かいこと気にすんなって。ほら、つまみもあるぜ。」
スルメにビーフジャーキー、カルパスなどが出てくる。
俺は酒よりこっちの方が興味ある。
「なぁ、食っていい?」
「いいぜ。ガキにはコーラな。」
「ガキって言うな!」
隆の手からコーラを奪い取り、一気に煽った。
炭酸が喉を刺激する。
「旨い!」
「じゃあ俺も。」
と言って隆はビールを手にした。
創はカクテル。
真司は隆と同じビールだ。
三人とも旨そうに飲む。
「なぁ、俺も一口」
「いいぜ、ほら」
隆が差し出したビールの缶を受け取ろうと手を伸ばすと、俺より先に創が缶を奪った。
「ダメですよ。まだ未成年なんですから。」
「少しぐらいいいじゃねーか。」
と言った隆を鬼のような形相で創は睨んだ。