愛の味
『--ほんと君は熱心だね』
2人っきりになって先生は言った。
私は失敗が多いのが恥ずかしくてこうやって残ってアドバイスをもらっている。
「あの・・お願いします」
そう言って差し出した。
『…うん!おいしい。本当に上手になったね』
そうほほ笑む先生の顔にほっとする。
けど同時に違う意味でどきどきする。
言わなきゃ・・いけないんだ…!
「あっあの…!
私、プロポーズされたんです」
…こないだ同棲している彼氏にプロポーズされた。
これは喜ばしいことだし、先生に言う必要がないのはわかってる。