ベンチ
夏休みを直前にしたある日

学校からの帰り道
知らないアドレスからメールがきた


「健からアド教えてもらった登録よろしく 堀内和樹」


健は去年同じクラスで
今もたまに話す友達だけど
最後の名前には見覚えはなかった

「堀内和樹?」

気になって返信してみたら
一分もたたないうちに返信がかえってきた

「この前転校してきて、今君の隣のクラス」


そう言われてやっときづいた、
(あー、例の転校生ね)

堀内和樹は市内の学校からの転校生だった

いじめで学校にいられなくなったとか親が離婚したとか

そういう噂が学校で回っていたのを思い出した


私は基本
人の事なんか気にしない質だったので

転校生を迎える集会にも参加しなかったし、

隣のクラスまで
わざわざ顔見に行くような面倒な事はしなかったのだ



家まで暇だったので
そのままメールのやり取りをした

「どこから来たの?」

「○○中!てか、なんて呼べばいい?」

「なんでもいいよ!うちはなんて呼べばいいかな?」

「ぢゃあ、未来って呼ぶから和樹って呼んで!」

「りょーかい、とりあえずよろしくね」

「よろしく」

その日は寝る前まで他愛ないメールのやりとりを繰り返していた


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