極上☆ラブパワー



「そう。それはよかったね。でも、全員じゃないみたい」


「え?」


「あたしが見てないもん」


「はぁ?莉桜、それ正気なの?」


びっくりした顔の咲があたしの両肩を掴んだ


「う、うん。まだ一度も顔を見たことないけど…」


後ろ姿とかはチラッと見たことあるけど


「信じられない!いつも朝の出勤時に社員みんな、社長に頭下げるじゃない」


「お辞儀したまま顔見るなんてしないし、今までにそれに参加したことだって数えるくらいしかないよ」


「ええっ!?」


咲は隣で大げさに頭を抱えてるけど、あたしは知らん顔でロッカーの扉を閉めた




< 106 / 330 >

この作品をシェア

pagetop