護り人
一章「名刀草薙の剣(くさなぎのつるぎ)
年末、この時はどこも大忙しだろう
だが、
禮人はお寺の横にある道場で刀をふっていた。
「禮人、自分の部屋の掃除は終わったのか…、ぐぁ〜」
九代目住職の寺田作次郎「てらだ、さくじろう」は慌てて禮人に近づくと頭を殴った。
「いってー、何すんだよ親父」
「うるさい。このバカ息子が。わが寺に代々伝わる名刀、草薙剣を素振りに使うとはなんとういう罰当たりな事をしおって」
「名刀って家にそんなのあるわけ無いだろ。こんなの偽者だよ。草薙剣だって空想なんだしさ」
殴られた頭を撫でながら禮人は言った。
「馬鹿者。何度も言うがこれは実物だ。あのヤマタノオロチの尾から出てきた本物の剣なんだぞ。罰として正月のお年玉は抜きだ」
「ちょっと待て待て親父、なんでそうなるんだよ。お年玉とこれは関係ないだろ。なぁ聞けよ親父ってば」
作次郎は刀を鞘に納めると無言で出ていった。
だが、
禮人はお寺の横にある道場で刀をふっていた。
「禮人、自分の部屋の掃除は終わったのか…、ぐぁ〜」
九代目住職の寺田作次郎「てらだ、さくじろう」は慌てて禮人に近づくと頭を殴った。
「いってー、何すんだよ親父」
「うるさい。このバカ息子が。わが寺に代々伝わる名刀、草薙剣を素振りに使うとはなんとういう罰当たりな事をしおって」
「名刀って家にそんなのあるわけ無いだろ。こんなの偽者だよ。草薙剣だって空想なんだしさ」
殴られた頭を撫でながら禮人は言った。
「馬鹿者。何度も言うがこれは実物だ。あのヤマタノオロチの尾から出てきた本物の剣なんだぞ。罰として正月のお年玉は抜きだ」
「ちょっと待て待て親父、なんでそうなるんだよ。お年玉とこれは関係ないだろ。なぁ聞けよ親父ってば」
作次郎は刀を鞘に納めると無言で出ていった。
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