護り人
朝ごはんを食べたあと、禮人は本堂の仏像の前に座っていた。

五メートルほどの大きさの仏像はきらきらと黄金に輝いている。


「梨沙は俺に何を言いたかったんだよ。どうすれば梨沙を救えるんだ。仏様、教えてください」

しかし、仏様は答えるはずもなく、

禮人はため息をついた。

「どうすれば梨沙は目を覚ますんだよ」

三途の川。

頼人の頭に[三途の川]の文字が浮かんだ。

「三途の川。親父が昔言ってたな、何日も目覚めない人は魂が三途の川で迷っているって。梨沙も三途の川に居てるのか?」

禮人は蔵に走り出した。

小さいとき、親父に三途の川に行ける方法を聞いた事がある。

親父は無いって言ったが禮人は子供心に嘘をついてるとわかった。

「方法があるならこの場所に隠してるに違いない」





< 13 / 19 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop