護り人
作次郎が出ていってすぐに禮人は大の字に寝転んだ。
(これはかなりやばいな。どうする俺、今年もあと少しで終わり、お年玉をあてに調子こいて、小遣いはほとんど使ってしまったし。どうにかしないとマジでヤバイな)

「うーん」

頼人が目をつぶって唸っていると

「わっ」

と耳元で声がした。

禮人は驚き、声をあげながら飛び起きた。

横にはいつの間にか隣に住む同じ年の佐々木梨沙「ささき、りさ」がいた。

「梨沙驚かすなよ。年越す前にあの世に行くところだったぞ」

梨沙は禮人の言葉を聞いて大笑いをした。


「だって一人でぶつぶつ言ってたからつい。ごめんねトトちゃん、そんな驚くとは思わなくてさ」

梨沙はいつの間にか禮人の事をトトと呼ぶようになっていた。

梨沙いわく「らいと」の最後のとを二つ合わせてトトだそうだ。

禮人は普通に呼んで欲しいが、梨沙は頼人が嫌がるのを見て尚更トトと呼ぶのでもう何も言わなくなった。
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