護り人
「剣の稽古をしてただけで遊んでた訳じゃないからな」

「だったら竹刀や木刀でしろ。わざわざ家宝の草薙剣を出しおって」

「ハイハイ。分かりましたよ。はぁー」

「ため息をつきたいのは私の方だ」

二人の会話を聞いて梨沙が笑う。


「あなた大変よ」

母親の実恵子「みえこ」が慌てて走ってくる。

「どうしたんだ実恵子。そんな慌てて」

「あなた、いま田中さんから連絡があってお爺さんが亡くなったって」

「そうか、急いで行かなくちゃな。だが…」

作次郎は外に出した壺や箱などの荷物を見た。

「おじさん。私が代わりに掃除しますよ」

梨沙が言う。

「いやしかし、梨沙ちゃんに頼むのは申し訳ないな」

「大丈夫ですよ。トトちゃんと二人ならすぐに終わりますから」

「言うと思った」

禮人はがっくりして言う。

「分かった。じゃ二人とも頼むな」

作次郎と実恵子は急いで行った。


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