護り人
禮人は体を洗い、ゆっくりと湯船に浸かる。


「疲れた〜」


蔵はほとんどが軽い、巻物や木の箱だが、残りのツボや陶器は意外と重たく、運ぶのに苦労した。


禮人は湯船から上がると、体を拭き、パジャマに着替えた。

「上がったか。次は俺だな」

作次郎は言うと禮人と入れ替わりにお風呂に入っていった。


リビングの椅子に座ると同時に物が割れる音がした。

「きゃっ、ごめん禮人、禮人の茶碗落としちゃった」

実恵子が申し訳なさそうに言う。

「別にいいよ茶碗くらい」
「ごめんね」

実恵子が言いながら割れた茶碗を拾おうとしたとき電話が鳴った。

「僕が茶碗の破片拾うから母さん電話取って」

実恵子は破片に気を付けてね。と言ってから電話を取った。

禮人は台所に広がった破片を拾っていった。
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