護り人
禮人は新聞紙の上に拾い終えると、それを丸めた。
「母さん終ったよ」

禮人が実恵子の方を見ると、 顔色が真っ青になっていた。

「どうしたの母さん。顔色が真っ青だよ」

「頼人、梨沙ちゃんが事故にあって、いま病院にいるって」

実恵子の声は震えていた。
「梨沙がっ。それで、それで容態どうなの?」


「頭を強く打ってて、いま手術中だって」

「そんな」

「どうしたんだ。二人してそんな顔して」

お風呂から上がった作次郎が言った。

「あなた。梨沙ちゃんが事故にあったって」

作次郎はそれを聞くとすぐに実恵子から受話器を取り、耳にあてた。

そして受話器置くと、

「禮人、服を来てこい。すぐに病院に行くぞ。実恵子は家に居てくれ、全員で押し掛けても迷惑になるからな」

「分かったわ」

実恵子はいったうなずいた。

禮人はすぐに二階にあがり服を着た。
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