護り人
家から病院まではどんなに急いでも三十分はかかる。
車内、禮人は梨沙の無事を祈り続けていた。

「禮人、心配するな。きっと梨沙ちゃんは大丈夫だ、あんなに優しい子を仏様が見捨てるはずがないだろ」

禮人が作次郎を見ると笑顔で左手親指をあげた。

禮人はちょっとほっとした。

「そうだよな。梨沙が死ぬはずないよな親父」

「ああ、死なないさ」


早くつきたいが道路は渋滞で、病院についたときは倍の一時間が立っていた。

作次郎は受付で訪ね、

二人は早足で手術室の前に向かったが。
途中すれ違った看護婦に「走らないで下さい」と注意されてしまった。

二人は顔を見合わせ、少し笑うと、速度を少し落とした。
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