バラエティオブラブ 【短編集】
けど、現実は上手くいかない。
朝会って、挨拶しようと思っても声が出ない。
彼はあっという間に下駄箱から去る。
はぁあ、今日もダメだった。
あんなに心に決めたのに、結局私はチキンなんだ。
気持ちは沈んでも、授業は進む。
長い長い8時間が終るチャイムが鳴る。
帰ろうと下駄箱に向かう途中に、部活に行こうとする、彼をみかける。
チャンスだ!!!
「…ゆ、優哉(ゆうや)、ばいばい」
私の口から出た、言葉。
精一杯の言葉。
けど、大きさは囁くほど。
聞こえるわけない。
でも!声はでた!!とポジティブに、考える。