音匣マリア
「ナツは今、蓮とは冷戦状態中だ」
ヨッシーが余計な事言った!!
「冷戦?菜月、なんかしたの?」
案の定、小柳さんは食いついてきた。
「違う違う。したのは蓮の方な、ナツ?」
もーう!!何で言うのよ、ヨッシーめ!!
「蓮とは付き合ってたんですけど……。今は色んな邪魔が入って、ですね」
「1ヶ月近く逢ってないんじゃなかったか?」
「そんなに経ってないもん!半月ぐらい逢ってないだけだもんね!」
ぷっと吹き出したヨッシーとは対称的に、小柳さんは真っ白い顔で私を見てる。
「うっそ…マジうそ……。菜月と海野さんがぁ……」
「で、なんで奴と喧嘩した?大体の事情は奴に聞いたけど」
ヨッシーは「ほら」と言って、4杯めのお酒を出してくれた。
こういう雰囲気、懐かしい。最近はパスクィーノにも全然行ってないからなぁ。
出されたお酒は甘くて飲みやすい。という事は酔いが回るのも早いって訳で。
「……という訳なんれすよ!酷いと思いまへんかっ!?誕生日にプレゼント持って部屋に行ったら…行ったら……う…うああぁぁぁん!!!!」
完全に絡み酒だったらしい。
しかも私は覚えてないけど、最初の方はデレッデレにのろけまくったらしい。
かーらーの、完全に全部カミングアウト。
つまり付き合い始めてから今まで起こったことを全部、山影さんの話しも勿論真優さんにされた事も全部、一切合切を聞かれもしないのに自分から暴露していた…らしい。
覚えてないって、お酒は怖い。
酔い潰れるまで飲み倒すと、私はぱたりと突っ伏して泣きながら眠ってしまっていた。
―――そんな私の上で、ヨッシーと小柳さんが悪巧みの視線を交わしたことも知らずに……。
フェアを明後日に控えた金曜日、私は支社長と課長に呼ばれた。
支社長の部屋に課長と共に入ると、とんでもない仕事を頼まれたんだ……。
「……今度のクリスマス・ナイト・フェアだが、模擬結婚式には人気モデルを使うつもりだったが、それは披露宴に回すことにした。模擬結婚式の花嫁役は、北斗さんに頼みたい」
……頼みたいって言ってるけど、命令だよねこれ!?選択肢無いって事だよね!?
クリスマスフェアはいつものフェアとは違って、お客さんだって200人は入るのに、こんなに急な命令ありなの!?
ヨッシーが余計な事言った!!
「冷戦?菜月、なんかしたの?」
案の定、小柳さんは食いついてきた。
「違う違う。したのは蓮の方な、ナツ?」
もーう!!何で言うのよ、ヨッシーめ!!
「蓮とは付き合ってたんですけど……。今は色んな邪魔が入って、ですね」
「1ヶ月近く逢ってないんじゃなかったか?」
「そんなに経ってないもん!半月ぐらい逢ってないだけだもんね!」
ぷっと吹き出したヨッシーとは対称的に、小柳さんは真っ白い顔で私を見てる。
「うっそ…マジうそ……。菜月と海野さんがぁ……」
「で、なんで奴と喧嘩した?大体の事情は奴に聞いたけど」
ヨッシーは「ほら」と言って、4杯めのお酒を出してくれた。
こういう雰囲気、懐かしい。最近はパスクィーノにも全然行ってないからなぁ。
出されたお酒は甘くて飲みやすい。という事は酔いが回るのも早いって訳で。
「……という訳なんれすよ!酷いと思いまへんかっ!?誕生日にプレゼント持って部屋に行ったら…行ったら……う…うああぁぁぁん!!!!」
完全に絡み酒だったらしい。
しかも私は覚えてないけど、最初の方はデレッデレにのろけまくったらしい。
かーらーの、完全に全部カミングアウト。
つまり付き合い始めてから今まで起こったことを全部、山影さんの話しも勿論真優さんにされた事も全部、一切合切を聞かれもしないのに自分から暴露していた…らしい。
覚えてないって、お酒は怖い。
酔い潰れるまで飲み倒すと、私はぱたりと突っ伏して泣きながら眠ってしまっていた。
―――そんな私の上で、ヨッシーと小柳さんが悪巧みの視線を交わしたことも知らずに……。
フェアを明後日に控えた金曜日、私は支社長と課長に呼ばれた。
支社長の部屋に課長と共に入ると、とんでもない仕事を頼まれたんだ……。
「……今度のクリスマス・ナイト・フェアだが、模擬結婚式には人気モデルを使うつもりだったが、それは披露宴に回すことにした。模擬結婚式の花嫁役は、北斗さんに頼みたい」
……頼みたいって言ってるけど、命令だよねこれ!?選択肢無いって事だよね!?
クリスマスフェアはいつものフェアとは違って、お客さんだって200人は入るのに、こんなに急な命令ありなの!?