音匣マリア
夕方、店の予約客の準備とナイトフェアの準備で忙しい俺の携帯に着信が入った。
相手は中井さんだ。
クリスマスに俺が抜けるんだから、店の方がどうしても手薄になる。
もしもの時は、中井さんに店のヘルプを頼むか…なんて都合が良い事考えながら、携帯を取った。
「ちゃース。ちょうどよかった、中井さんに頼みがあって」
『パスクィーノのヘルプなら俺は行けねぇ。どうしてもってんなら、うちの若い奴行かせるから』
若い奴ぅ?使えんのか、そいつ。ま、猫の手を借りるよりはマシか。
「じゃ、そいつで良いんで後で寄越して下さい」
これで後は大丈夫だろ。安心してナイトフェアの方に行ける。
『ナイトフェアだけどな、模擬披露宴は20時からだが、お前は18時半までには式場に入ってくれだとよ。式場に着いたら小柳って奴の指示に従ってくれ』
あれ?いつもよりフェアの召集時間、早くないか?
大体は模擬披露宴が始まる直前に、会場に道具をセッティングして間に合うのに?
それにもう17時じゃん。今から即攻で準備して間に合うかどうか……。
「早すぎないッスか?まだこっちの準備が終わってないですよ?」
『なら止めるか?ナツに逢いたいんじゃなかったのか?』
……ムカつくわ!!
「[逢いたい]んじゃなくて[逢う]んです。そこ間違わないで下さいよ。マジで頼むから」
一大決心して今日は菜月に逢うつもりなのに。
『……どうせお前の事だから、ナツにプレゼントでも用意してんだろ?それ忘れずに持ってけよ』
はあ!?何であんたがそんなの知ってんの!?つーか、そこまで心配されてるとか、修学旅行前日の小学生かよ、俺は!?
「中井さんに心配されたかないです。てか、言いたい事がそれだけなら切りますよ。俺マジ忙しいんで」
中井さんに見透かされた腹いせに嫌味を言った。
『そうだな、後は……上手くやれよ。それだけだ』
「へ!?あ、ちょ…!」
中井さんの方から一方的に電話を切られた。
何なんだこのくそ忙しい時に。
時間が迫ってると知った俺は、更にピッチを上げて準備作業を再開した。
相手は中井さんだ。
クリスマスに俺が抜けるんだから、店の方がどうしても手薄になる。
もしもの時は、中井さんに店のヘルプを頼むか…なんて都合が良い事考えながら、携帯を取った。
「ちゃース。ちょうどよかった、中井さんに頼みがあって」
『パスクィーノのヘルプなら俺は行けねぇ。どうしてもってんなら、うちの若い奴行かせるから』
若い奴ぅ?使えんのか、そいつ。ま、猫の手を借りるよりはマシか。
「じゃ、そいつで良いんで後で寄越して下さい」
これで後は大丈夫だろ。安心してナイトフェアの方に行ける。
『ナイトフェアだけどな、模擬披露宴は20時からだが、お前は18時半までには式場に入ってくれだとよ。式場に着いたら小柳って奴の指示に従ってくれ』
あれ?いつもよりフェアの召集時間、早くないか?
大体は模擬披露宴が始まる直前に、会場に道具をセッティングして間に合うのに?
それにもう17時じゃん。今から即攻で準備して間に合うかどうか……。
「早すぎないッスか?まだこっちの準備が終わってないですよ?」
『なら止めるか?ナツに逢いたいんじゃなかったのか?』
……ムカつくわ!!
「[逢いたい]んじゃなくて[逢う]んです。そこ間違わないで下さいよ。マジで頼むから」
一大決心して今日は菜月に逢うつもりなのに。
『……どうせお前の事だから、ナツにプレゼントでも用意してんだろ?それ忘れずに持ってけよ』
はあ!?何であんたがそんなの知ってんの!?つーか、そこまで心配されてるとか、修学旅行前日の小学生かよ、俺は!?
「中井さんに心配されたかないです。てか、言いたい事がそれだけなら切りますよ。俺マジ忙しいんで」
中井さんに見透かされた腹いせに嫌味を言った。
『そうだな、後は……上手くやれよ。それだけだ』
「へ!?あ、ちょ…!」
中井さんの方から一方的に電話を切られた。
何なんだこのくそ忙しい時に。
時間が迫ってると知った俺は、更にピッチを上げて準備作業を再開した。