音匣マリア
「……あの、さ。今日はすげー楽しかった。菜月となら、これからも色んなとこ行きたい…。って言うか、菜月さえ良ければ、…付き合ってほしい…と思ってる」
まさかの蓮さんからの告白っ!?
いやこれもう、すごく嬉し過ぎ!
「あの、ね。この観覧車に乗りたいってワガママ言ったのも…私も、蓮さんと付き合えればいいなーって思ってたから……」
「なんで告白と観覧車が関係あんの?」
蓮さんはやっぱり知らなかったんだな。この観覧車のジンクス。
「カップルになりたい二人がこの観覧車の白いゴンドラに乗って、頂上まで来たときに告白すると、その二人は上手くいくんだって。だから、ジンクスにあやかって観覧車に乗りたいって言ったの……」
告白されたんだから、この気持ちは私一人の一方通行じゃないんだよね?
蓮さんも[付き合いたい]って言ってくれたよね?夢じゃないよね?
浮かれた私はつい口を滑らせて、もう一つのジンクスを喋って……しまった。
「……でね、頂上でキス…したら、その二人は幸せな結婚ができる…んだって」
そう言ってから後悔した。
これじゃまるで私がキスをねだってるみたいじゃんか!
やだもう蓮さんの方を見れないよ!私の馬鹿馬鹿!!
恥ずかしくて真っ赤になった顔を見せたくなくて、半端ない自己嫌悪から思わず俯いてしまった。
蓮さん、こんな話を聞いて引いてない…?
「キスしたら、菜月が俺のモノになんの?」
予想外のその言葉に思わずハッとして、顔を上げて蓮さんを見た。
その隙を狙っていたかのように、唇に触れる温かい感触。
触れるだけだったキスは、やがて濃厚なものに変わりぬるりと熱が侵入してきた。
深くなるキスに合わせて、私の体は蓮さんの腕の中に閉じ込められている。
長く熱を移し合った後、名残惜しそうに体を離した。
「……これで菜月は俺のモノ」
額と額をくっつけて、蓮さんが私の頬に手を添える。
「蓮さんも、私のモノ?」
くすりと笑った蓮さんの指に、私の指は絡み取られた。
……ねぇ、蓮さんも同じ気持ちなの?
このまま離れたくないと願っているのは私だけ?
「名前。呼び捨てで良いから。《さん》付けはいらない」
囁くようなその言葉だけで酔ってしまいそう。
「……蓮…」
名前を呼ぶだけで、二人の距離が近くに感じる。
私の頬を撫でた指が緩やかに顎を掬う。
どちらからともなく、再び唇を重ねた。
……月の光は優しく輝き、重なりあう二人をいつまでも高みから見下ろしている……。
まさかの蓮さんからの告白っ!?
いやこれもう、すごく嬉し過ぎ!
「あの、ね。この観覧車に乗りたいってワガママ言ったのも…私も、蓮さんと付き合えればいいなーって思ってたから……」
「なんで告白と観覧車が関係あんの?」
蓮さんはやっぱり知らなかったんだな。この観覧車のジンクス。
「カップルになりたい二人がこの観覧車の白いゴンドラに乗って、頂上まで来たときに告白すると、その二人は上手くいくんだって。だから、ジンクスにあやかって観覧車に乗りたいって言ったの……」
告白されたんだから、この気持ちは私一人の一方通行じゃないんだよね?
蓮さんも[付き合いたい]って言ってくれたよね?夢じゃないよね?
浮かれた私はつい口を滑らせて、もう一つのジンクスを喋って……しまった。
「……でね、頂上でキス…したら、その二人は幸せな結婚ができる…んだって」
そう言ってから後悔した。
これじゃまるで私がキスをねだってるみたいじゃんか!
やだもう蓮さんの方を見れないよ!私の馬鹿馬鹿!!
恥ずかしくて真っ赤になった顔を見せたくなくて、半端ない自己嫌悪から思わず俯いてしまった。
蓮さん、こんな話を聞いて引いてない…?
「キスしたら、菜月が俺のモノになんの?」
予想外のその言葉に思わずハッとして、顔を上げて蓮さんを見た。
その隙を狙っていたかのように、唇に触れる温かい感触。
触れるだけだったキスは、やがて濃厚なものに変わりぬるりと熱が侵入してきた。
深くなるキスに合わせて、私の体は蓮さんの腕の中に閉じ込められている。
長く熱を移し合った後、名残惜しそうに体を離した。
「……これで菜月は俺のモノ」
額と額をくっつけて、蓮さんが私の頬に手を添える。
「蓮さんも、私のモノ?」
くすりと笑った蓮さんの指に、私の指は絡み取られた。
……ねぇ、蓮さんも同じ気持ちなの?
このまま離れたくないと願っているのは私だけ?
「名前。呼び捨てで良いから。《さん》付けはいらない」
囁くようなその言葉だけで酔ってしまいそう。
「……蓮…」
名前を呼ぶだけで、二人の距離が近くに感じる。
私の頬を撫でた指が緩やかに顎を掬う。
どちらからともなく、再び唇を重ねた。
……月の光は優しく輝き、重なりあう二人をいつまでも高みから見下ろしている……。