音匣マリア
まだ仕事中だった蓮は店を抜けられなかったけど、私を先に帰すためにわざわざタクシーを呼んでくれたから、離れがたい気持ちを抑えてタクシーに乗って家まで帰った。

家に着いたらすぐに速攻で蓮にメールを送信。


―――――――――――――――――――――

次の休みは水曜日で合ってたよ


もし行けるなら、海浜公園に隣接してる屋内型のアミューズメントパークに行きたいよぉ!
o(><;)(;><)o

―――――――――――――――――――――


あのアミューズメントパークにはまだ行ったことないから、誰かと一緒に行って見たいとは思ってたんだよね。


蓮は行けるかな?


それより何を着ていこう?可愛い系のスカートなんてあったっけ?


クローゼットの中を慌てて漁ったら、まだ一回も着ていなかったホワイトカラーの総レースのトップスと、インナーパンツ付きのミニフレアスカートが出てきた。これなら女の子らしく見える…と思う。うん、大丈夫。


蓮を前にしたら、いかに自分を可愛く見せるか、なんてことで頭が一杯になってる。少しでもいいから、蓮に『可愛い』と思われたいから。


クローゼットから出した服をハンガーに掛けて窓際に吊るした時、携帯が光ってメールの受信を報せていた。



蓮からの返信。


―――――――――――――――――――――

了解

13時過ぎに迎えに行く


―――――――――――――――――――――


素っ気ないメールだったけど、仕事中なのに蓮が返信してくれたことだけでも舞い上がるぐらいに嬉しい。


水曜日が楽しみになってきた。


下着…も、やっぱり気を使って新しいのを着けた方がいいのかな……?


どうしようね?




……もしかしたら、[そういうコト]するかも知れないって考えたら……。とてつもなく緊張するんだけど。



< 43 / 158 >

この作品をシェア

pagetop