総長が求めた光 ~Ⅳ獣と姫~
鶴の涙
あたしは、自分を呪いたくなった。
なんて軽い気持ちで聞いてしまったんだろう。
自己嫌悪とはまさにこのことだ。
あたしの顔が曇ったことに気づいてサヨさんが頬を撫でてくれた。
「そんな顔しなくて良いのです。私が話せると思ったから話すのです」
さっきの一言なんて今は全く気にしないような優しい笑顔。
「私ももっと仲良くなりたいのです」
そうだ、あたしが聞きたいと言って
あたしも仲良くなりたいと思ったのだ。
あたしは、もう何も言わなかった。
それを、サヨさんは合図にどこか儚げに口を動かし始めた。
ただ、その目は酷く澱(よど)んだ気がした。
なんて軽い気持ちで聞いてしまったんだろう。
自己嫌悪とはまさにこのことだ。
あたしの顔が曇ったことに気づいてサヨさんが頬を撫でてくれた。
「そんな顔しなくて良いのです。私が話せると思ったから話すのです」
さっきの一言なんて今は全く気にしないような優しい笑顔。
「私ももっと仲良くなりたいのです」
そうだ、あたしが聞きたいと言って
あたしも仲良くなりたいと思ったのだ。
あたしは、もう何も言わなかった。
それを、サヨさんは合図にどこか儚げに口を動かし始めた。
ただ、その目は酷く澱(よど)んだ気がした。