総長が求めた光 ~Ⅳ獣と姫~
仲直りの指切り
あたしと向かい合わせに座るユウコ。
あたしはついさっき手渡されたココアを一口飲んだ。
先ほどのシュウの部屋でのことがあって、心配になったあたしはユウコを待っていた。
「あの、レナ‥‥」
「ん?」
先に口を開いたのはユウコ。
「さっきは、そのごめん‥‥」
え、なんであたしに謝るの
「あたしは、別に平気だけど‥‥ユウコこそ‥‥」
「俺は、慣れてるから平気」
少し頼りなさげに笑顔を作る。
その笑顔が、あたしを不安にさせることなんて知らないんだろうな‥‥
あたしは席を立ってユウコの隣に座った。
「レナ?」
「ユウコはさ、シュウ‥‥好き?」
隣で赤い髪が揺れた。