総長が求めた光 ~Ⅳ獣と姫~
「‥‥そりゃあ、兄貴。だからな」
「そっか」
「でも、兄貴は‥‥」
寂しげに上を向いたユウコ。
「俺さ、小さい頃兄貴にべったりだったんだよ」
照れたように頬をかく。
「ここに入ったのだって、兄貴が入ったから。最初は兄貴と同じチームだったんだけど、俺も一人前になりたいって思ってヒサに頼んだんだ」
懐かしそうに話す言葉に耳を傾ける。
「けど、結局俺は守られててそれに甘えてただけだったんだな」
「そんなことないよ」
あたしはそうは思ってないよ
ユウコが入ったときのことなんて今聞かされて初めて知ったし、2人のこともみんなことも詳しくはわからない
でも、ユウコが今言ったことはそうではないと言える
「だって、ユウコがあたしのために戦ってくれたとき。あの時のことはユウコがあたしを守ってくれたんだよ」