総長が求めた光 ~Ⅳ獣と姫~
それは紛れもない事実。
だから、ユウコ‥
そんな泣きそうな顔をしないで?
「‥おこがましいかもしれないけど、俺‥兄貴たちを守りたいよ」
絞り出すような声は溜めてたものを吐き出すように言葉を紡いだ。
「こんな俺だけど、仲間を護れるってことが分かった。だから、ヒサのためになりたいしヒサが護りたいと思うもんは俺だって‥護りたい」
揺らいでた瞳がしっかりとあたしを捉えた。
「けど、俺じゃあまだ早いって意味なんだろうな‥あの兄貴の態度は」
小さく笑う。
その顔は何かを諦めたみたいで少し寂しげ
「でもいいんだ」
大きな瞳が天井を仰ぐ。
「自分の技量で護れるもんを護る」
握り拳を作って、
「それが、今の俺がやらなきゃいけねぇこと」
いつものように笑ってくれるから
「ユウコならできるよ」
あたしも同じように笑えた。