総長が求めた光 ~Ⅳ獣と姫~
あの時、男が去り際に言った言葉


『お前、笑ってみたいか』


私は初めて、その男に自分から喋りかけたです


【私でも、笑え‥‥る‥‥ですか?】


口にすることがすごく怖かったです


私には望んではいけないことだと思ってたからです


だけど、男はそんな私のことなんて全く考えずに叫んだです


『当たり前だ!俺も、お前も。同じ人間だろ?』


男は私の手を掴んで自分の胸にぐっと押し付けてきやがったです


手のひらに伝わる男の鼓動に、なぜか涙が止まらなかったです


初めて人の温もりに触れられた気がしたです


それから、その日の最後に男はまた一言呟いたです。


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