総長が求めた光 ~Ⅳ獣と姫~
そして、奴はこう言ったです


『こんな、ガリガリの女抱いたことねぇ!』


今思い出しても腹が立つのです


あの男にはデリカシーというものが欠けているです


だけど、あの男は温かかった。


でも、私はその時に思ったです


私は汚い‥‥と。


人のぬくもりに触れて私はやっと自分がどれだけ汚いかを思い出した。


離すように、私は男に言ったです。


これ以上私を抱きしめていると、その男まで汚れてしまう気がしたです。


けれど、その腕が私を離すことはなかったです。


『嬉しいだろ、直々に迎えに来てやった。今こそ、笑うんだよ』


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