総長が求めた光 ～Ⅳ獣と姫～

「うなされてたから。いやだった？」


柔らかい声が、あたしの耳元であたしの感情を揺さぶる。


ていうか、あたしのことを条件反射のようにがっしり、掴んでくれたくせに目が覚めたとかは、ないんだね。


「い、嫌じゃなかった‥‥」


「ん、いい子」


頭をぽんぽんと軽く叩かれる。


それが、妙に心地よくて思わずきゅっとシュウの脇腹あたりの服を掴んでしまった。


「ちょ、シュウ！レナにひっつきすぎ！」


「最近の若い人たちってみんなこうなのかしらっ」


「アサ、キモいぞお前」


掴んでいた手をパッと離して、声のする方を見た。


あぁ、そういえば最初のほうで視界に入っていたカラフルな人たちの声だと本人たちを見て思った。