総長が求めた光 ~Ⅳ獣と姫~
き、ず
「あれ、ミズキは部屋に戻ったの?」


ルイが部屋に戻ってきたのは、ミズキが部屋を出て数分後のことだった。


それは、カラが2本目の缶を開けたところだった。


「うん、さっきまではいたんだけど‥‥」


「そっか。サヨに連絡入れたから、もうすぐ来るよ」


にこっと笑って、いつものように食器棚からあたしがいつも使うカップを取り出してミルクティーを作ってくれる。


「‥‥なんか、じゃじゃ馬のもの‥増えたな」


カラが、ルイが運んできてくれたカップを見ながらぼそっと呟いた。


「そういえば、そうだね」


カップの中を覗き込むようにして、反射で映る自分を見ながら確かに、と心で呟いた。


このカップも、服も――――居場所も‥‥


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