総長が求めた光 ~Ⅳ獣と姫~
全部、みんながくれたものだ。


一口飲んで、おなかからじんわりあったまるのを感じた。


あぁ、まるでみんなの優しさが改めて染み込んでくるようだ。


ふぅっと息をついたとき、静かに後ろのドアが開いた。


「こんにちはです。サヨ、入りますです」


「急に、呼んでごめんね。じゃ、レナちゃんヨロシクね」


「了解なのです」


カップを置いて、後ろを見ると優しく微笑んだサヨさんと目があった。


「行きましょうです」


あたしは、なにかに導かれるようにその声について行った。


いつもの部屋を出て、知らない部屋に案内された。


今、思ったけどまだあたしはここにある部屋を全部知ってるわけじゃないんだな‥‥。



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