総長が求めた光 ~Ⅳ獣と姫~
あたしも何かみんなの役に立ちたい。


「みんなのために、あたしができることってなんでしょうか‥‥」


「レナさん‥‥」


あたしだって‥‥もう守られてばかりじゃ嫌だ


「笑ってください」


「え‥‥」


ぱっと顔を上げてサヨさんの顔を見つめた。


「別に、レナさんにできることがないわけじゃないですよ。でも、みなさんのためになることといえばこれが一番なんです」


「笑うこと‥‥」


「そうです。守りたいと思うものの笑顔。それが一番〝守る側〝としては何よりの力になると思いますよ」


あたしの頬を優しく撫でながらサヨさんのオデコがぶつかる。


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