another heaven
会見はぴったり一時間で終わった。
エレベーターの中で渇いた喉を潤し、息を吐く。
(尊敬、か)
あの日、心から尊敬していたクラスメイトは、目の前で死んだ。
「……」
悲しみは感じない。
もう自分の感情は麻痺したまま、この先動くことはないのだろう。
チン、と開いたエレベーターからすべり出、理得はもう一口水を飲んだ。
握りしめていたペットボトルはぬるくなっていたが、水はまだ辛うじて冷たかった。