浮気は、いいよ。
「冗談はシゴト終わってから聞いてやるから」
優里は冗談でこんな事を言うタイプではない。
でも、オレを好きで言ってるワケではない事も分かる。
「・・・・・ホストとかって、いくら払えばワタシとセックスしてくれるかな」
優里ならお金なんか払わなくても、優里とヤリたい男なんていくらでもいる。
優里の意図が分からない。
「どうした?? 突然性欲止まんなくなったのかよ?? だいたい、そんなことしたら慰謝料取れなくなるぞ」
「・・・・・・・・」
優里、まさか・・・・・。
「・・・・・離婚、やめるの??」
「・・・・・幸太郎の気持ちが知りたくて。・・・・・うそ。 幸太郎にワタシがどんな気持ちだったか知って欲しくて」
「・・・・・・優里、あんまふざけんなよ?? オマエ、オレの気持ちに感づいてただろ、ホントは。 よくオレにそんなこと言えるよな」
優里に腹が立った。
こんなカタチでオレを振る残酷な優里を、それでも好きな自分に腹が立った。
「・・・・・ゴメン。 今の、忘れて」
優里が電話を切ろうとした。
「待って優里」
他の男に優里が抱かれるくらいなら。
「後でホテルの地図メールする」
後悔する事なんて、百も承知。