浮気は、いいよ。
「・・・・・幸太郎と同じ事をすれば、気が晴れると思った。 ・・・・そんな事ないね」
優里が沈黙を破った。
「・・・・・・」
相槌さえ打たずに優里の次の言葉を待つ。
だって、悟ってしまった。
オレの期待が外れているという事を。
「・・・・・でも、どうしてこんなにも『浮気が赦せない』のかは分かった気がするよ」
「・・・・・・・」
何も言葉を発せない。
「少女漫画のお決まりのセリフで出てくる『セックスは好きな人とじゃなきゃ気持ち良くない』ってアレ、嘘だよね」
「・・・・・・・」
「嫌いな人じゃない限り、セックスって気持ち良いよ。 気持ち良いって分かってるから赦せないんだ。 自分以外の誰かを気持ちよくさせてるのが嫌なんだ。 自分以外の誰かに気持ち良さを感じられるのが嫌なんだ」
優里は、浮気をしてきたんだ。