浮気は、いいよ。
「沙耶香、なんか腹減らない?? 奢ってやるからラーメン食いに行こうよ」
・・・・行けるハズがない。
髪もボサボサだし、瞼だって妖怪みたいに腫れ上がっている。
「行かない」
「え?? ラーメン嫌なの?? 何食いたいの??」
そーゆー問題ではない。
「お寿司。 回ってないやつ。 うにといくらを交互に永遠に食べたい」
ワザと高そうなものを言って断る作戦。
「何だよ、仕方ねぇなー。 替え玉は3コまでだぞ」
作戦失敗。 まさかのスルーだし。
「・・・・メイクしてないから無理」
「どうせ愚痴りながら泣くんだろ?? メイクなんか意味ないじゃん」
「しつこいな!! ずっと泣き通してたから、顔がとんでもない騒ぎになってるんだよ!!」
「自意識過剰め。 誰も沙耶香の顔なんて注目してねぇっつーの」
「・・・・・・・」
何だよ、悠介。 地味に傷つくこと言うし。
「ごめん、沙耶香。 今の取り消し」
「・・・・・・」
「ねぇ沙耶香。 オレの事、慰めてよ」
悠介はそう言ったけど、結局慰め役をするのは悠介の方だ。
どうせワタシは泣き崩れるから。
「・・・・・いいよ、慰めてあげる」
連れ出したのは悠介の方。
悠介が責任持って慰めてよね。