浮気は、いいよ。




「・・・・・嬉しかったんだよ。 最後に嘘でも幸太郎がワタシを『好きだ』って言ってくれた事が、すごく嬉しかったんだよ。

だから、幸太郎が慰謝料が原因で離婚を躊躇してるなら・・・・と思ってさ。

ワタシ、バカで単純だからさ。 ちょっと喜ばせとけば、幸太郎の思い通りに動く人間なんだよ」




今日の優里は本当に穏やかに笑う。




「・・・・なんで勝手に嘘だって決め付けんの?? 本当に優里が好きだから『好きだ』って言ったんじゃん。

それに、慰謝料が問題じゃないって言ったじゃん。 全部優里にあげるって言っただろ」




「・・・・・うそつき。 ずっとワタシの事避けてたくせに。 今の今までシカトしてたくせに」




優里が、オレが唯一説明出来なくて困っている所を突いてきた。




でも、言わなければ。




オレが説明出来ないんだ。 優里が尚更理解が出来ないのは当然の事。




もう、嘘は吐かない。




と言うか、説明の出来ない事に嘘を吐くのは不可能な事。
< 143 / 159 >

この作品をシェア

pagetop