浮気は、いいよ。
本格化。
「弁護士に相談しよう」
悠介が真面目な顔をした。
「ダイジョウブだよ‼ ちゃんと自分で幸太郎と話す」
そんなに大事にしたくない。
「本当に自分で話出来る⁇ 慰謝料とか、財産分与とかちゃんと出来る⁇」
悠介が心配してくれているのは、分かる。
でも
「慰謝料なんかいらないよ。 ワタシにも悪いところがあったから浮気されたんだと思うし」
「今更なキレイゴトだね」
悠介が呆れたように溜息を吐いた。
「優里はこれから1人で生きてかないといけないんだよ⁇
お金は出来るだけ取れ。
ブランクのある27歳の再就職って、かなり厳しい事だし。
優里に悪い所があったとしても、それが浮気をしていい理由にはならない」
もっともな悠介の言葉。
「………自分には、弁護士さんとか……一生関わる事のない世界の人だと思ってた」
「一人で相談に行ける??」
悠介は、ワタシの事を1人じゃ何も出来ないコドモだと思っているのだろうか。
「うん、ダイジョウブ」
「………ゴメン、心配だからやっぱ一緒に行かせて」
何が心配なんだろう。
よっぽど信用されていない。
でも、いい歳して情けないけど、悠介がそう言ってくれて安心した。
正直、不安で仕方ない。
悠介の思っている通り、ワタシは1人で何も出来ないコドモ。
より手がかかる、やっかいな大人だ。