浮気は、いいよ。
「あのさー、何の探りの電話なの⁇」
ワタシと悠介は、たわいのない話を電話でする様な仲ではない。
「別に。 ただ、オレは沙耶香の気持ち、分からんでもないなってだけ」
「何それ、アンタは優里の味方なんでしょ⁇」
「当然。 でも、沙耶香の敵じゃない。 正直、優里が沙耶香の事まで訴えると思わなくてさ。 沙耶香、大丈夫??」
弁護士を挟んで金銭が絡めば、ワタシだって幸太郎と別れなければならなくなるかもしれない。
きっとそれを見越して言っている。
「心配して頂かなくて結構」
「それはそれは。 失礼しましたー。 消えまーす」
悠介が電話を切った。
昔、ワタシも悠介が好きだった。
ワタシが好きになる男は、いつだって優里を好きになる。
さすがに悠介はワタシに手を出す事は無かったけど
悠介が浮気したと聞いた時
泣き崩れる優里を慰めながら
心のどこかで笑ってた。