浮気は、いいよ。
「・・・・沙耶香の慰謝料、幸太郎が払ってくれるんだって」
別に悠介に報告しなければいけない義務はない。
悠介だって、こんな話に付き合うのは面倒に違いない。
でも話すのは、悠介の同情を引きたかったからだ。
ワタシは、呆れるくらいしょうもない。
でもね、やっぱり苦しいんだよ。
何をしてても辛いんだ。
悠介なら、慰めてくれる。
悠介の優しさを利用してでも、少しでも、一瞬でも癒されたい。
ワタシは、反吐が出るほど意地汚い。
「・・・・・幸太郎さんは、沙耶香を何だと思ってんだよ」
悠介が、低い声を出した。
悠介が、沙耶香を庇っている様に見えた。
同情を引いて慰めてもらおうなんていう、自分の浅はかさが
情けなくて、恥ずかしくて
惨めだった。