浮気は、いいよ。










「・・・・沙耶香の慰謝料、幸太郎が払ってくれるんだって」









別に悠介に報告しなければいけない義務はない。



悠介だって、こんな話に付き合うのは面倒に違いない。



でも話すのは、悠介の同情を引きたかったからだ。



ワタシは、呆れるくらいしょうもない。



でもね、やっぱり苦しいんだよ。



何をしてても辛いんだ。



悠介なら、慰めてくれる。



悠介の優しさを利用してでも、少しでも、一瞬でも癒されたい。



ワタシは、反吐が出るほど意地汚い。










「・・・・・幸太郎さんは、沙耶香を何だと思ってんだよ」




悠介が、低い声を出した。








悠介が、沙耶香を庇っている様に見えた。








同情を引いて慰めてもらおうなんていう、自分の浅はかさが







情けなくて、恥ずかしくて






惨めだった。
< 73 / 159 >

この作品をシェア

pagetop