浮気は、いいよ。
路肩に吐き出す。
どんどん出てくる。
涎が糸を引く。
見られたくない。
「優里‼」
近くに車を停めた悠介が走って戻ってきた。
『来ないで、見ないで』
言おうにも、強烈な吐き気で一言も出ない。
今回は、いっぱい食べた後だからこの前見られた時より酷い。
臭い、汚い。
慌てて靴を脱いで悠介に向かって投げた。
意味の分からない様子の悠介が、それを拾ってこっちに来る。
今度はブレスレットを外して投げつける。
そして、気付く。
『来ないで。 見られたくない』
メールを打てばイイ事に。
『ジュース買ってくる。 今日はピングレにしたるな』
悠介のメールに少し和んで笑った後に、やっぱり吐く。