それだけ ~先生が好き~
1章 先生の授業
恋の意識
どうして出会ってしまったんだろう。
「松戸せんせ~~~い!」
本当に春かと疑うような日差しの下での体育の授業。
親友の萌が呼んだ人。
それが・・・私の大好きな、人。
「何?どした?」
サングラスを上に少しずらして、こっちを見る。
「アンダーハンドパスがうまくいかないんですけど・・」
萌がバレーボールをもって聞く。
あ、サングラスの跡ついてる・・・
小さな発見。それが私の楽しみ。
先生は座ってたイスから立ち上がって、
「アンダーハンドパスはこうやって・・・手を組んだとき、腕の上に板が乗っかってる感じにすんの。腰は低くな。ボール、投げてみ?」
かまえてボールを待つ先生も、かわいい。
「いきまぁ~す!」
萌がボールを投げる。
宙を舞ったボールを私はただ眺める。
先生、好きです。