それだけ ~先生が好き~


本当に久しぶりだった。


一緒に帰るなんて・・・。

前は結構帰ってたんだけどな。


萌とか、みんなで。


でもみんな塾とか部活とかで、ばらばらになっていっちゃった。

しょうがないけど、最初は寂しかったな。




でも、城田と二人で帰るのは・・・はじめてかも。




横に並ぶと、城田の顔は見上げないと見えない。


歩く速度も、歩幅も違う。


いつの間にか・・・変わってた。


前を見る横顔も、少し茶色い髪も。


前とは違う。





「城田、背伸びたね~!今何センチぐらいあるの?」


「あ~・・・180ぐらい?そんな伸びたかぁ?」


「久しぶりに横に立ったらなんか別人みたいだもん。伸びたよぉ~」


城田の頭に背伸びをして手を置いてみる。


大きい。



変わってしまった。



『大人』になってる。



みんな、大人になっていくんだね。




気づかない間に。




< 100 / 522 >

この作品をシェア

pagetop