それだけ ~先生が好き~


「確かにでかいほうだけどな~・・・まじでいつの間に」


自分で不思議そうにする城田が面白くて、笑っちゃった。


「笑うなよ!・・・お前は?」


城田が急にこっちを見て、びっくりして笑いが止まった。

「え?何が??」


城田は何も言わない。


しばらくしてから、城田がやっと口を開いた。


「いつからだよ!松戸を好きになったの!」


そして目をそらした。


私が、先生を好きになったの・・・

いつだっけ??



「私もいつの間にか、かな~・・・いつの間にか先生のことばっかだったんだ!」


「そっか。そうだよな・・・いつの間にかだよな」


「あ、私ここで曲がるから。城田まっすぐ行くんでしょ?」


「あぁ・・・早いな。じゃぁ、また明日な!!」



手を振って離れていく城田に、私も手を振り返す。



城田が見えなくなると、私も家に向かう。


今日はいろんなことがあった。



いろんなことを知った。



城田の気持ち。




気づけなかったけど、


城田の気持ちには・・・こたえられないけど。


一生忘れられない。


忘れちゃいけない。




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