それだけ ~先生が好き~



「どうした?・・・大丈夫か?ちょっと待ってろ!」




先生は、ちゃんと私を見つけてくれた。



喫煙所に行くつもりだったはず。



明らかに様子のおかしい私を見つけて、先生は職員室に戻っていった。



靴のかかとを踏んで走ったようで、なんだか足元が気持ち悪い。




先生が気づいてくれた。




それが嬉しい。



シアワセ・・・だったんだ。




シアワセだったはずなんだ。





シアワセだったから、忘れていたんだ。






向き合わなきゃいけないことから、逃げていたんだ。






お母さん




お父さん






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