それだけ ~先生が好き~


ぎゅって、腕をつかまれた。


力強い手に、つかまれた。



温かい。




「とりあえず、上履きに履き替えなきゃな。相談室行くから!」



力強い手の持ち主は、先生。



職員室から、相談室の鍵を持ってきてくれたんだ。



その顔を見ると落ち着く。



大好きな人の隣。




私は、下駄箱で上履きに履き替えて、先生と相談室に向かう。



その間・・・つかまれたままの腕。











「先生、ありがとう」



相談室に入ってすぐ、お礼を言った。




軽く聞こえるかもしれないけど、本心なんだよ。


それを先生はわかってくれた。




「俺でいいなら頼ってくれよ!」



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