それだけ ~先生が好き~
その夜は、何年ぶりだかわからないくらい久しぶりに家族でリビングに集まった。
みんなぎこちない笑顔で、「ごめんなさい」を言い合った。
お父さんは、私の名前を何度も呼んでくれた。
それだけで涙があふれそうになって、あわててティッシュを手に取る。
身体に巻きついていた鎖が解けたように、気持ちいい。
お母さんもお父さんも、笑ってた。
それがこんなにシアワセなんだなんて、思いもしなかった。
こんな日が訪れることすら予想していなかった。
先生
先生、会いたいよ。
今日はね、頑張ったんだよ。
先生がいてくれたから、頑張れたよ。
ベッドの中で涙を流しながら、先生を想いながら・・・眠りについた。