それだけ ~先生が好き~

止まらない私の話を、真剣に、「うん・・・」って頷きながら聞いてくれる。

優しい笑顔の先生。



それが、嬉しくて・・・


涙がこぼれた。



「あ・・・あれ?なんでだろ・・・や・・やだ、止まんない・・・」



大粒の涙が、私の瞳からこぼれる。


さっきまで鮮明に見えていた先生の笑顔がかすむ。


「あぁ、大丈夫か?ほら、拭け!」


いつかのように、ジャージのポケットからハンカチを取り出して私に渡す。


「ごめんなさい・・・なんか・・止まらなくて・・・」


「いいよ。・・・嬉しかったんだろ?嬉しいこと、いっぱいあったんだろ?もう我慢しなくて良いから。よく頑張ったな」



先生はいつも言って欲しいことを言ってくれる。



涙でぐしゃぐしゃになって、かっこ悪い。


今までのことがよみがえって、それが消えていくような不思議な気持ち。


寂しくて、悲しくて、苦しくて。


辛かった。



それが、終わったんだ。



嬉しいときにも涙が出るんだね。





また、新しいことを先生は教えてくれた。




先生が頭を撫でてくれたら、もう止まらない。



止めようとも思わない。




それが先生の「泣いていい」っていう合図。





先生の前で、声を上げて泣いた。






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