それだけ ~先生が好き~


誰もわかってくれないって思ってた。


私のこの気持ちを、理解してくれないって思ってた。


だから、わかってくれなくていい。



そうして、私は自分の気持ちに鍵をかけて、心の奥の奥にしまいこんだ。



一生、そのままにしておくことはできないってこともわかってた。



いつか破裂するだろう。

いつか出てきてしまうだろう。


それでも奥にしまいこんでいたのに。


決心は強かったけど。



それを一瞬で壊してくれたのは、先生。


心の奥の鍵を持ってきてくれたのは、先生。



鍵をどこかに忘れてきていたのは、私。




そんな私を、助けてくれた。




こんなことがあるなんて、思ってもいなかったから。




ありがとう。




今度は、私が先生を助けたい。




だから、聞きたい。




先生の心の奥にある、その秘密を知りたい。



それが重く辛く苦しいものなら、救ってあげたい。



だから・・・お願い。





先生のその瞳に映っているのは誰?





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