それだけ ~先生が好き~
先生の背中の夕日が眩しい。
だけどそれ以上に先生が眩しいのかもしれない。
涙でぼやけて、キラキラしてる。
先生
「好きなのは・・・お前だよ。それは、確かなんだ。お前以外にはいないよ」
少し寂しそうに先生は私の手を握る。
冷たい。
いつもの温かさが、ない。
その事実が私を不安にさせる。
「ごめん。ずっと・・・気になってたよな。指輪。もうずっと昔のことなんだからはずせばいいんだけど、だめなんだ」
はずせない・・・?
何か、あったの?
「・・・昔の彼女。もう何年も前に、病気で亡くなってるけどな」
頭が、正常に動かない。
私は・・・
先生のことを、本当に何ひとつ知っていなかったんだね